わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

小川国夫『止島』

「舞い立つ鳥」。旧制中学には進学せずカフェで女給をしている車夫の孫、琴が、家を飛び出して歌劇団(なのかな)に入団してしまうまで。
「潮境」。中国系の同郷の同級生とのいびつな友情。
 読みすすめるにつれ、時代が現代へと近づいてくる(今のところは)。戦前、戦中は「孤立」だったものが、戦後に移ると「孤独」へと変質する。他と交流を持ちつつも、孤独を感じずにはいられない。会話すればするほど、友情をはぐくめばはぐくむほどに、閉塞感は強まってゆく。

止島

止島

アポロンの島 (講談社文芸文庫)

アポロンの島 (講談社文芸文庫)

試みの岸 (講談社文芸文庫 おI 3)

試みの岸 (講談社文芸文庫 おI 3)