いよいよア・バオア・クーでの決戦…なのだが、細かな部分がかなりアニメ版と違っている。徹底的な戦略検証により「戦争」としてのリアリティが増し、なぜ最終決戦の場がア・バオア・クーだったのか、そしてそこではどんな闘いが求められていたのかが明確になり、兵士たちの緊迫した雰囲気もグンと高まった。そしてアムロとララァの闘い。アニメ版以上に叙情的にまとめられている。そして特筆すべきは、セイラとシャアの関係、かな。アムロに負けたシャアのゲルググを、搭乗したモビルスーツ(!)が大破し脱出したセイラが偶然発見し、ゲルググを追いはじめるのだが……。この一コマのすばらしさといったら。シャアとセイラの関係性、二人が背負っているものの重さ、それらを見事に表現している。巻末にはア・バオア・クーのストーリーや演出に関するスタッフブレストの様子も掲載されている。漫画家・安彦良和の魅力が存分に楽しめる一冊。
機動戦士ガンダム THE ORIGIN (21) ひかる宇宙編・前 (角川コミックス・エース 80-25)
- 作者: 安彦 良和
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/07/26
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機動戦士ガンダム THE ORIGIN (20) ソロモン編・後 (角川コミックス・エース 80-23)
- 作者: 安彦良和
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