「群像」2015年11月号掲載。
主人公・華島の職場だった遊園地はいよいよ閉園間近に。彼の視覚障害は直らぬまま。そして彼の職場の最後を見届けに、と同時に自分のなかにいるらしい「もう一人の自分」と決別するために、恋人・遠野美和は彼の遊園地を訪れる…。
一方、老いらくの遠距離恋愛?となりつつあった百合子とカシムは西海岸で再会する約束をするのだが、時は2011年9月11日。カシムは気まぐれでニューヨークに降りてしまい…。
一気に畳み込む展開。だが複雑な物語構造と間接的な表現手法はそのまま。すごいです。