わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

テープのはがれ

catkicker0012005-11-22

 六時起床。目覚めてから眠るまで、一日中睡魔と闘っていた(この日記は翌日に書いている)。眠い。パソコンに向かっていても、原稿用紙に向かっていても、メモ用紙に向かっていても、PDAに向かっていても、やはり眠い。背中がずしりと重くなり、足がふわついたような感覚がしはじめたら注意が必要だ。つぎに来るのはまぶたの重さである。まぶたを閉じると、思考が濁ったような感覚に襲われ、そのまま意識が濁りの中へと落ちてゆく。もっとも、落ちるとはいえすぐに浮上できないわけではない。仕事中、という事実がどこかで気持ちを引き締めているようなのだ。
 午前中は赤羽橋のT社で打ち合わせ。帰りがけ、地下鉄の中でうたた寝していたら妙な夢を見た。テーブルか何か、板状のものの上にセロテープが二枚貼ってある。幅六ミリくらいか。どちらも向かって右側はきっちりと板に貼り付いているのだが、
左側が黒ずんでいて、汚れで接着力が弱まったのか、ペロリとはがれかけている。夢の中で、ぼくはこれが気になって仕方がない。はさみを取り出し、そのペロリとした汚れをチョキリと切ったところで、目が覚めた。
 帰りがけ、大きな魚の卸業者の倉庫の近くにある路地で、幼い黒猫を見かけた。漆黒というよりは墨黒、やや浅い黒で毛並みは深い。生後六ヶ月くらいか。ちょっと目やにが溜まりぎみなのが気になる。近寄ってみたら、親猫だろうか、白黒ブチの大人猫が、のっしのっしと近寄ってきた。人は怖くないらしい。
 戻ってから三時間ばかり作業し、ふたたび外出。小石川のL社で二時間打ち合わせしてから帰社/帰宅した。

 西原理恵子『営業ものがたり』を購入する。浦沢直樹プルートゥ」トリビュート作品「うつくしい のはら」掲載。「サイバラ生涯の最高傑作」って書かれてたけど、それってサイバラはこの作品を超える傑作はもう書けないよ、って言ってるようなものじゃんか。まあ、確かに最高傑作なんだけど。サイバラが「死」「殺人」「戦争」と正面からぶつかっていった、肉弾的感動短編。
 
 漱石「文鳥」。午前中の外出のとき、読みかけの文庫をカバンに入れわすれたので、PDAにインストールしておいた「青空文庫」のものを読んだ。いたずらな文鳥のイメージに、女性のイメージが折り重なってゆく。かと思えば、文鳥は死ぬ。主人公はそれを下女のせいにするが、周囲の人間たちはそうは思っていない…。人間関係の不器用さを文鳥の短い生涯に重ねて描いた傑作、ですな。
 泰淳「わが子キリスト」。イエスの存在が、侵略者たちに利用されはじめる。


営業ものがたり

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