花子、一晩たって平常心をすっかり取り戻したようだ。人恋しいようなので、いつもどおり花子と一緒に書斎で仕事した。なんら問題はなし。
七時起床。終日書斎で仕事する。夕方、鍼治療。ここのところ、また坐骨神経痛の調子が悪い。右の股関節が固い。油の切れた工作機械のジョイント部分になった気分である。
節分である。夜は豆まき。毎年猫たちは大興奮する。鬼は外、福は内の掛け声にあわせてダダダダッと走りながら宙に舞い床を転げる豆を追いかけ、手、すなわち前肢でちゃかちゃかと触ったりはじいたり転がしたりして遊ぼうとする、とふたたび鬼は外、と声がかかり、次の豆が違う部屋で飛ぶ。また慌てて走る。その繰り返しだ。今年は、花子は相変わらず楽しそうだったのだが、麦次郎は寒いのか眠いのか大人になり過ぎたのか、さほど関心を示してくれない。花子も以前ほど駆けずり回らない。部屋の四方八方に散った豆を集め、花子お気に入りの椅子の上に乗せて上げたり、もう一度目の前で投げて上げたりすると、喜んで遊んだ。その姿からは、昨日の危機的状況などまるで窺えない。