2006-03-14 田中小実昌『アメン父』 読書日記 物語がない、いや構造すらない作品だから、なかなか要約しにくいなあ。だが、ニンゲンとはそんな存在なのではないか。あるのは非連続な断片だけだ。それをひとつの視点で読み取ろうとすれば、そこに構造が生まれ、物語が生まれる。ぼくたちは構造のなかで生きているわけではない。断片と戯れているだけなのだ……なんて書くとすごくポストモダン的。ポスト構造主義みたい。でも、コミさんの作品ってある意味すごくポストモダンである。 まあ、ポストモダンという言葉自体が、すでに賞味期限終ってるんだけど。