わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

田中小実昌『アメン父』

 物語がない、いや構造すらない作品だから、なかなか要約しにくいなあ。だが、ニンゲンとはそんな存在なのではないか。あるのは非連続な断片だけだ。それをひとつの視点で読み取ろうとすれば、そこに構造が生まれ、物語が生まれる。ぼくたちは構造のなかで生きているわけではない。断片と戯れているだけなのだ……なんて書くとすごくポストモダン的。ポスト構造主義みたい。でも、コミさんの作品ってある意味すごくポストモダンである。
 まあ、ポストモダンという言葉自体が、すでに賞味期限終ってるんだけど。