わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

2006-03-14から1日間の記事一覧

田中小実昌『アメン父』

物語がない、いや構造すらない作品だから、なかなか要約しにくいなあ。だが、ニンゲンとはそんな存在なのではないか。あるのは非連続な断片だけだ。それをひとつの視点で読み取ろうとすれば、そこに構造が生まれ、物語が生まれる。ぼくたちは構造のなかで生…

町田康『告白』

熊次郎を殺した熊太郎。その家族もつぎつぎと手にかける。殺されるものはみな恐怖に口が聞けない。ただひとり、熊太郎だけが冷静に自分の状況を分析し、そしてあたかも他人の口を借りているかのような口調でひとりつぶやく。引用。 「思弁と言語と世界が虚無…

春陽いろいろ

六時三十分起床。急に寒くなると散々天気予報に脅された。なるほど確かに窓の結露は昨日より多い。明け方の冷え込みは激しかったのだろう。しかし、キンと冷えた空気は部屋の中まで伝わってこない。陽射しは柔らかで、それでいて冬の朝の弱々しさが消え、強…