ちらりと読んだ。史上もっともエキセントリックな宗教書。神話や宗教の伝説伝承の類によくある矛盾を、学者ならもっともらしいこじつけで真剣に推察し論じるところを、この作者は笑いのネタにしてしまう。それでいて、しっかり御利益を求める。「闇めぐり」と副題にあるが、闇をめぐるというよりは、見つけた闇に笑いという名の光を当てることで闇を払おうとしている。神をも怖れぬ大胆さと評すべきか、それともこの作者、本気で闇が、神仏の力が怖いのか。笑いとは、ごまかしの一手法でもあるから。
- 作者: 加門七海
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2001/06
- メディア: 文庫
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