わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

観察と移動

 花子が寝坊した。いつもなら三時から四時が朝食タイム、この時間にふにゃんふにゃんと情けない声で耳元で騒がれ、ひどいときには手の甲やヒジを前歯でちっちゃく噛まれ、これはガブリとやられるのとはまた違った、皮だけをきゅいっとつねられるような痛さがあり、目覚めているときならともかく深い眠りに落ちているときにやられるとひとたまりもない、痛みで飛び起きてうおわぁあああ、などとしばらくわけのわからぬ声、いや声というよりは音を漏らす始末なのだが、熟睡していたのか、寝る前にカリカリを食べ過ぎて腹がもたれていたのかはよくわからんが、六時までゴハンを催促されなかった。
 今日の午前中はフリーになったので、朝一番でいくつかの納品などを済ませ、あとは事務処理の時間に充てた。ちょっとだけ散歩。あおられるほどではないが、軽く髪を乱し、直しても直してもまた乱れさせる、祖の程度の風が冷たく吹き抜けてゆく。薄い雲がそらのあちこちに広がっているが、青空はそこから透けて見える。陽射しはあるが北風に負けるのか、光はゆるく、弱々しい。「ブックオフ」でKeith JarrettのCD1枚、それからベーカリー「吟遊詩人」で昼食用のパンを買って帰る。
 午後から外出。霞ヶ関の某IT企業で二時間近く打ち合わせ。終了後、秋葉原PDA専門店「モバイルプラザ」でPalm TXの液晶保護シートを購入する。銀座線で、どう見てもニューハーフっぽい、身長180cmくらいで骨格ががっしりしておりほお骨やえらがしっかり出ておりのどちんこもありそうな、そして靴のサイズは26cm以上ありそうな大柄な、でも風邪を引いているのかやたらと咳き込んでいて、その咳が明らかにニューハーフの人の男の野太い声をどこかに残しつつ、妙にわざとらしく響くニューハーフならではのトーンではなく、かぼそくて高くてキンと響いたからおそらくはニューハーフではなくちゃんとした女性、それも着ているものは高価そうだったからかなりセレブな女性、の隣に座って渋谷に移動。シブヤ西武の「Yohji Yamamoto pour homme」で、裾上げが終わったセットアップを引き上げる。ケータイのバッテリがなくなってしまったので、ビックカメラまで足を伸ばし、乾電池が使える充電器を購入。つづいて井の頭線で、仲良し女子高生三人組、そのうちひとりが、あたしたちは学校でおせんべいばっかり食べている、と笑いながら話し、別のひとりが、絶対に胃がおかしくなるよね、などと言い、残ったひとりは、それほどでもないよ、とでも言いたかったのだろうが何も言わず、ケラケラ笑いつづけ、そして何かにつけて、特に胃がおかしくなると主張した子が中心になって、ウチらはさぁ、ウチらはさぁ、を繰り返す三人の隣に座り、電車が進むにつれて、おせんべいの子が降り、黙って笑っていた子が降り、最後に胃がおかしくなると主張した子だけが残され、するとたちまち顔から笑みが失せ、静かになったと思っていたら今度はグースカ居眠りをはじめ、身体がどんどん片側に傾いていく、そんな姿を横目で見ながら吉祥寺へ移動。「ロヂャース」で猫ゴハンを購入してから帰宅。夜はちょっとだけ仕事をした。
 夕食はサワラの梅みそ漬けを焼いて食べた。美味。