わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

佐伯一麦『ノルゲ』

 鳥の鳴き声のオノマトペの日本独自の感覚、そして英語などにおける付加疑問文でのYes/Noの逆転現象……。言葉の違いは、人を惑わせる。時にはアイデンティティを脆くさせてしまう。しかし、主人公は言葉の違和を感じつつも、それを受け入れるだけの余裕をもちはじめている。ゆるやかな恢復、って感じかな。
 恢復の物語というのはありがちだけれど、そこに異国での日本語再認識という要素を絡めて展開するというのはめずらしい、のかな。異国での日本語、というのもありがちなテーマではあるが。

ノルゲ Norge

ノルゲ Norge