鳥の鳴き声のオノマトペの日本独自の感覚、そして英語などにおける付加疑問文でのYes/Noの逆転現象……。言葉の違いは、人を惑わせる。時にはアイデンティティを脆くさせてしまう。しかし、主人公は言葉の違和を感じつつも、それを受け入れるだけの余裕をもちはじめている。ゆるやかな恢復、って感じかな。
恢復の物語というのはありがちだけれど、そこに異国での日本語再認識という要素を絡めて展開するというのはめずらしい、のかな。異国での日本語、というのもありがちなテーマではあるが。
- 作者: 佐伯一麦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/06/29
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 4回
- この商品を含むブログ (38件) を見る