わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

伊藤比呂美『女の絶望』

 第三章「水無月--子ゆえのやみ 長雨梅雨時」。
 名作エッセイ『伊藤ふきげん製作所』につながるテーマ、すなわち育児問題。帯には「文学と実用書のハイブリッド本」とあったが、なるほど納得。全国のなんやかんやで悩む熟女たちよ。本作読んで、何かを掴んでみてはいかがか。フツーの文学作品読むよりは、かなり掴みやすい。
 第一章で感じた青臭さは、成熟した女性だからこそにじみ出てくるものなのかもしれない、と思えてきた。書き手自身が青臭いのではない。書き手に声を寄せる、悩める人々が青臭いのだ。そしてその青臭さは、どこかで「生む」という女の役割に通じているような気さえしてきた。どーざんしょ、比呂美ねーさん。

女の絶望

女の絶望

伊藤ふきげん製作所

伊藤ふきげん製作所

良いおっぱい悪いおっぱい (集英社文庫)

良いおっぱい悪いおっぱい (集英社文庫)