日経新聞の今日の最終面。毎週日曜のみ掲載されている連載企画で、楽しみにしている。今日のテーマは「タニシ」。この書き出しだけで、もうたまらなくて笑ってしまった。
むろんいかにも、タニシは鳴かない。
しかるに「田螺(たにし)鳴く」は春の季語。同じく「亀鳴く」も春の季語。「蚯蚓(みみず)鳴く」なら秋の季語。鳴かないものが鳴く三大季語と言ってみたい。
そして、引用している漱石の松山中学校教師時代の俳句も、なんだかおかしい。ほほえましい、と言うべきかもしれないけれど。いや、やっぱりヘンだ。
よく聞けば田螺鳴くなり鍋の中
こっちのタニシはイッチョマエでナマイキ。俳人気取りのタニシっていうか。
月の出のおそきをなげく田螺かな

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小池光の作品はこちら。名前で検索した結果を乗せているだけなので、結構違うモノもまじっちゃってますが。