わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

小池光「うたの動物記」タニシ〜春の訪れ よろこんで鳴く

 日経新聞の今日の最終面。毎週日曜のみ掲載されている連載企画で、楽しみにしている。今日のテーマは「タニシ」。この書き出しだけで、もうたまらなくて笑ってしまった。

 むろんいかにも、タニシは鳴かない。
 しかるに「田螺(たにし)鳴く」は春の季語。同じく「亀鳴く」も春の季語。「蚯蚓(みみず)鳴く」なら秋の季語。鳴かないものが鳴く三大季語と言ってみたい。

 そして、引用している漱石の松山中学校教師時代の俳句も、なんだかおかしい。ほほえましい、と言うべきかもしれないけれど。いや、やっぱりヘンだ。

 よく聞けば田螺鳴くなり鍋の中

 こっちのタニシはイッチョマエでナマイキ。俳人気取りのタニシっていうか。

 月の出のおそきをなげく田螺かな

続・小池光歌集 (現代短歌文庫)

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現代歌まくら (五柳叢書)

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小池光の作品はこちら。名前で検索した結果を乗せているだけなので、結構違うモノもまじっちゃってますが。