わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

中上健次『化粧』

「欣求」「草木」。読めば読むほど生きることの業の深さを強く感じ、袋小路に入り込んでしまう。だがなぜか、そこから抜け出す道も、わずかではあるが見えている。ただ、見えてはいても素直に直視ができない。そこにツバを吐くように生きる。あるいは見えぬふりをして途方に暮れ、それをごまかすように暴力への衝動に身を任せる。そんな感じ。

化粧 (講談社文芸文庫)

化粧 (講談社文芸文庫)

中上健次の作品はこちら。『千年の愉楽』が近々映画化されるようです。