「文藝」だったかな、に連載されていた、断片的な小説、というか、小説になりきれなかった断片集。膨大な数に上る。一つ一つは発展の可能性があるものの途中で放棄された断片でしかないのだが、それが一冊の集合体になると、不思議なことに、完成された小説になってしまう。まるで無関係だった断片たちが、読み手の意志によって、あるいは無意識によって、ムスビつながれ、あるいは断片と断片の間の空白を埋められ、小説世界を構築しはじめる。小説の新たな可能性が感じられる一冊。スゴイです。
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- 作者: 保坂和志
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/04/18
- メディア: 単行本
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