どう死んでも、死であることに変わりはない。それでもわたしたちは、死に意味を持たせてしまう。死に意味を持たせることで、生前の生に価値を与えようとする。死を惜しむことで、死を受け入れる。惜しむことができるのは、死と生に意味を与えたからだ。そんな風に考えると、いのちの大切さというものが実は幻想の上に成り立っていると気付き、途方もないむなしさに襲われてしまう…。
本作を読んで、ぼくのようにそんなことを考える人もいるだろう。虚無的な気分になりかねなかったが、かすかながら希望のあるラストで救われた。
川崎さん、手法的にも内容的にも、問題ある作品ばかり書くよなあ…。
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/04/06
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