「そうだ、それから、マヨネーズ」後半。不思議の国のアリス状態になっていた知人の女優、そしてかつての同棲相手との、スーパーでの突然の再会。作家の男は、カイモノ途中にこの女性に足を蹴っ飛ばされることでこの女性の魅力を思い出し、女性は女性で、足を蹴っ飛ばしたことをわびる。ここで小説は終わってしまう。あまりにぶっきらぼうすぎるがゆえに、この二人の今後をつい想像してしまう。おもろいわあ。
短篇集だが、微妙に似た設定の作品を重層的に並べていくことで連作的に仕上げる手法は鮮やか。別の人物だというのに、前の作品を読んだ記憶が不思議に重なりあって、しっかり人物描写がされているような錯覚を起こす。