六時四十五分起床。初夢はよく覚えていない。お笑い芸人がたくさん出てきたような気がするが、それはおそらく元旦のテレビ番組の影響なのだろう。笑顔を絶やさぬ一年にせよ、という天からの啓示だと受けとっておこう。
大慌てだったわりには何かともたついた感じなのだが、ひとまず身支度を済ませてカミサンと出発。荻窪ルミネの地下でワインとチーズの福袋を買ってから電車に乗り、中央線から新宿で埼京線、赤羽で宇都宮線と乗り換えて実家のある古河へ。十二時二十分到着。からっ風の群馬に近いせいだろうか、寒波の影響を東京以上に強く受けているようで、冷たい風が町中に吹き荒れていた。北風は町から正月の雰囲気を軒並み奪う。
実家で両親、妹とその子どもたちと正月を祝う。持参したチャーシューとパン、寿司、刺身、お煮しめ、かまぼこに伊達巻、フライドチキン、チーズ、ワインと和洋折衷なんでもござれ。子どもたちは退屈なようで、気づけばすぐにニンテンドーDSをいじくっている。せっかく久々に会ったのにゲーム三昧というのもなあ、と思い、猫の絵を描こうと誘い、一緒にあれこれ落書きして遊んだ。家に残した猫や鳥が心配なので十八時には実家を出た。
二十時前に帰宅。ドウブツたちは賢く留守番してくれていた。腹いっぱいなので三十分ほど散歩。寒空には十六夜の月が明るく輝いている。たいして寒くないな、と思いながら月を見上げ、星々にも目をやってみた。実家で見た夜空より東京のかすんだ夜空のほうが落ち着いて見上げていられるのはなぜだろう。
高橋源一郎「さよならクリストファー・ロビン」読了
「新潮」1月号掲載。『さようなら、ギャングたち』や『ゴーストバスターズ』のころに戻ったような作風。これらの作品では創作=虚構の世界で、言葉や文学、そして「書く」ということと徹底的に、本気で、命をかけて戯れていたが、本作では「書く」ことが生きることであり、虚無(絶望ってことかな)に立ち向かう唯一の方法である、と強く訴えている。書くのをやめることは、すなわち死を意味する。ただし、それは虚無との戦いにおける敗北というわけではない。
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