上妻宏光、吉田兄弟といった民謡のジャンルをはみ出して異分野コラボレーションを積極的に行う津軽三味線奏者の先駆けともいうべき存在。以前沖縄の三線奏者のライブを聞いたことがあるが、後半はほとんどジミ・ヘンドリックス。佐藤通弘もやはりどこかロックやジャズのエキサイティングな部分に通じるマインドを持った熱いプレイヤーのようだ。独奏曲は津軽民謡の重く悲しい世界。その閉じた感覚に少々しんどさを覚えたが、太鼓/歌、尺八とのトリオ演奏やツイン三味線(なんだそりゃ? でもギターならツインギターって言うもんね)の曲は閉塞的な場所から広い世界へ飛び出そうという躍動感に満ちあふれていた。佐藤氏の三味線修業の歴史に、曲の並びがどこかでシンクロしているのかもなあ、と思った。津軽の精神を根底に持ち、それを守ろうとしながらも、どこかでそこから離れてみたい、だがそれを活かしたいという気持ちも強い。そのバランスが、佐藤通弘の魅力なのかもしれない。
- 津軽よされ節(佐藤通弘)
- 津軽音頭(佐藤通弘)
- 津軽あいや節( 佐藤通弘)
- 田名部お島コ節(佐藤通弘/田辺頌山(尺八)/木津茂理(歌・太鼓))
- 津軽三味線曲合わせ(佐藤通弘/星野映(三味線 ※サッカー選手らしい))
- りんご節(佐藤通弘/弘姿郎(三味線 ※次男らしい))
- ドタレバチ(佐藤通弘/弘姿郎)
- 弘前上桜吹雪(佐藤通弘/田辺頌山/木津茂理)
- 夏、宵祭り(佐藤通弘/田辺頌山/木津茂理)
- ジョンから元気(佐藤通弘/田辺頌山/木津茂理)
- アンコール:三味線ポルカ(佐藤通弘/田辺頌山/木津茂理)

- アーティスト: 佐藤通弘
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
- 発売日: 2004/09/22
- メディア: CD
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