わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

雄弁な花びら

 七時起床。外廊下からマンションの裏手を流れる善福寺川を眺めてみる。川沿いの、わがマンションの二階から見える範囲には残念ながら桜の木は一本もないが、川面には白い花びらが点々と浮き、流れてゆくのが見える。桜の花には静けさが漂っていると感じることがある。木の下では浮かれたニンゲンたちがどんちゃん騒ぎを繰り広げているが、その花自体は、静かに、静かにたたずんでいる。沈黙しているのではないだろう。微笑んでいるわけでもない。桜の木は、咲くことで何かに耳を傾けているのかもしれない、などとくだらぬ想像をしてみる。だとすれば、あの可憐な花びらは耳か。しかし、と思う。散る桜は、ほかのどんな花よりも雄弁である。
 曇天。午前中のうちにポツリポツリと降りはじめ、すぐに雨足は強まった。薄暗い天気の日、我が家の猫たちは延々と眠りつづけることが多い。雨の日に狩りはできない、という本能が働くのだろうか。猫様がグースカ寝ていると、ニンゲン様も眠くなる。カミサンも今朝はいつもよりすこしだけ長めに眠っていたようだ。三十分ほど昼寝もしたらしい。ぼくは眠気を払うようにして仕事をつづけている。
 夕方、「貴子鍼灸治療室」へ。
 仕事が予定より早めに片づいたので、夜はのんびり過ごした。