わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

吾妻ひでお『うつうつひでお日記』読了

 かつては作品がアニメ化され、ブームとなったこともあったマンガ家の、落ちぶれた日常。鬱病、アル中、腰痛などなどの不調を抱えながら、日産2ページ程度という超マイペースで仕事をつづける。とことん貧乏であるが、悲壮さを感じさせないのは吾妻氏の作風だけが理由ではないはずだ。極力、仕事に追いつめられない状況に身を置くこと。大好きなこと(彼の場合は読書か)にしっかり時間を割けること。鬱病やアル中などの苦しみと上手に付き合うこと。これらが日記から悲壮さを排除させているのではないだろうか。ぼくのように、仕事に追いつめられれば気が狂いそうになり、暇になると今度は経済的な不安を感じてしまうフリーランスのニンゲンにとって、吾妻氏の生き方はひょっとしたら理想なのではないか、とも思えてきた。
 「ななこSOS」や「ポロポロポロン」は、ぼくが中学のときの作品だったかなあ。アニメは何度か観ていたような記憶がある。もっとも、「ななこ」はCMに入る前の音楽が「な、な、こ、エスオーエス! な、な、こ、エスオーエス!」だったこと、「ポロン」は主題歌の歌詞に「エーロスエロスー、エロースンマセーン」というダジャレ、今でいうオヤジギャグが入っていたことしか覚えていない。