わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

高橋たか子『墓の話』

 第二話「親和力」。主人公はパリ市内にある墓地で、女の顔を持ち上げた男の銅像があしらわれた奇妙な墓を見つける。そこで彼女に、女(の霊?)が声をかける。女はジャンヌ・マリと名乗り、兄クロードと親友エンマニュエルとの関係を語りはじめる。彼らはみな、十九世紀末から二十世紀半ばまで、すなわち二度の世界大戦を経験した世代。