わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

「修養」という名のロック

 King Crimson「Discipline」。技巧派ではあるがメロディ重視ではなく過剰にドラマティックな楽曲構成でもなくブンガクかぶれしているわけでもなく、ガムランなどのエスニック・サウンドの影響のもと、二本のギターによる複雑なシークエンスとアルペジオを中心に構成された収録曲は、発表当時「クリムゾンを名乗っていてもクリムゾンにあらず」とやたら評価が低かったが、近年どうも見直されているらしい。ぼくはこのアルバムをリアルタイムで聴いたわけではなく高校二年か三年のとき、アルバム発表から五年か六年経ってから聴いたのだが、そのときは「クリムゾン・キングの宮殿」を聴いたのとほぼ同時期だったせいもあるのだが、同じくらいの衝撃を受けた。Disciplineとは修養とか鍛練といった意味のコトバである。ロックとは対極にありそうなコンセプトだというのに、見事にロックにしてしまった。これはとんでもない価値観の転換だ。これぞ真の意味でのプログレッシブ・ロック

Discipline: 30th Anniversary Edition

Discipline: 30th Anniversary Edition