わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

三輪参詣

 六時四十分起床。晴れ。梅雨はいずこへ、とつい訝りたくなるが、今日のように外出、それもかなりの遠方へ出向かう日には、空梅雨もまた天の恵みと思いたくなる。雨はそのうち、必要なだけ降るだろう。
 八時、荻窪駅を出る。八時三十分過ぎ、東京駅着。しばらくミネラルウォーターを飲みつつ休憩(ここで、キオスクでマネージャーに買い物させる五月みどりを見かけた)し、九時過ぎの新幹線に乗り込む。日曜の午前、下りの東海道はビジネス客も観光客も少なく、妙なテンションの高さが感じられない。「新潮」を読んだり、窓の外を眺めたり。下るにつれて、雲が重なる。青空と雲の境界がよくわからない。そこにツバメが鮮やかな弧を描きながら飛ぶ。青々とした田植えしたばかりの水田に、鷺が点々としているのを何度も見かける。水田には、カラスの姿も見受けられた。
 十一時過ぎ、京都着。一人旅は列車の乗り換えのときが不安になる。駅員に聞けばよいのだが、オバチャンの大群やら暴れる小学生やらに前を遮られ、なかなかタイミングをつかめないときがある。今日はどうだろう、などと考えつつホームを歩く。が、京都駅は誘導サインがしっかりしているので、迷うこともなかった。
 近鉄に乗り換え、奈良の名物らしい柿の葉寿司を食べながら、特急で大和八木まで。奈良をはじめ近畿地方の山は、形が円い。関東の山のほうがゴツゴツとしていると思う。なぜだろう。関西に来るたびに、そう思う。
 大和八木から各駅停車に乗り換え、桜井へ。ふたたびJRに乗り換え、三輪まで出る。二両編成のワンマン電車。
 久しぶりの三輪明神大神神社。祀られている大物主命には、かなり助けられているという感覚が実際にある。とりわけ経営の難に効果がある、と聞いて参詣したのが、レギュラーでいただいていた仕事がなくなり危機に直面していた七年前だ。変な信仰心と笑ってもらってもいい。最近はお札を通販で取り寄せていたが、さすがにそろそろ実際に出向いて感謝の意を伝えなければ、と常日頃思っていた。
 神楽の中以外の様子をまったく覚えていない。あきれながら参道を進み、手続きを済ませ、ご祈祷を受けた。祝詞も、巫女の踊りも変わりはない。安心した気分。妙に心地よい。ちょっとここには書けない、神秘的なことが起きた。これまた面白い。
 周辺に点在する神社数箇所も詣で、名物の三輪そうめんをすすってから、おなじ電車ルート帰途につく。京都駅で八つ橋、ゆば、それからなぜか売っていた大阪名物・551蓬莱の豚まんを買って帰った。
 スケジュールの隙間をぬっての強行日帰り一人旅。帰宅後は、カミサンの実家からいただいたコロッケと豚まんで夕食。かなり体力を使ったようだ。睡魔に襲われ、十二時前に就寝した。