わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

よくばりな休日。

 横で左手だけをみょーんと伸ばして添い寝する花子の体温とふっさりした体毛の感覚に名残惜しさを感じつつ、七時四十分起床。大慌てで部屋とトイレの掃除を済ませ、十時過ぎ、カミサンと外出。澄んだ冬空の青が延々とつづく。いまだ路上に残る雪は、アスファルトに汚れつつも陽光に溶け、少しずつ姿を消してゆく。
 十一時三十分、高幡不動尊へ。毎年節分の直後の週末あたりに、自宅の家内安全と会社の社運隆昌をご祈祷いただくことにしている。年々護摩供養の参拝者が増える傾向にあるが、とうとう今年はお堂に収まりきれなくなったらしく、お不動様に向かって左側が期間限定とのことだが増築してあった。
「開運そば」で食事してから、歩いて「京王百草園」へ。江戸時代からつづく庭園らしい。その名を聞き、小さな自然公園なのかと思っていたが、坂を延々と登った先にある小高い山全体が庭園となっており、楽しみ尽くそうとするならそれなりの体力と覚悟が必要。雪解けで足下がぬかるむ中、梅の花があちこちでほころびはじめていた。軽やかな黄の蝋梅は盛りで、入場門のすぐそばは、梅よりもやや優しく甘い蝋梅独特の香りで満ちている。小一時間、山の中をうろついてみる。ウチのインコのぷちぷちのようにギイギイギョイーと大騒ぎする鳥の声に目を向けると、どうやらヤマガラらしい。ナワバリでも主張していたか。それとも嫁を探していたか。

 百草園をあとにし、しばらく住宅と畑に囲まれた道を延々歩く。この先にあるジェラートの専門店が目的。途中、牛舎を見かけた。ジェラートの店がやっている牧場だそうで、ジャージーやホルスタインなど、ざっと数えて二十数頭が、ほんの少しだけ差し込む昼下がりの陽光に、けだるそうにねそべったりあくびをしたりしている。二頭ほど仔牛がいるのを見つけた。まるまって腹のあたりに顔を寄せて眠る姿はどことなく猫に似ている。
 さらに数分歩いて、お目当てのジェラート専門店「アルティジャーノ・ジェラテリア」へ。詳細別項。
 百草園駅から京王線に乗り、吉祥寺へ。伊勢丹にある武蔵野市立吉祥寺美術館で、今日が最終日だった「土門拳写真展 日本のこころ」を観る。詳細別項。
 夜は体力を使い果たした感じ。だが、精神的なエネルギーはお不動様、木々や花、牛、ジェラート土門拳と、いろんなものから得ることができた。