何日か前に手に入れていたのだが、風邪引いたりコンサート行ったりで、紹介するタイミングを失していた。
古井の最新作は、なんと小説ではなくて作家論。帯にはこう書いてある。引用。
世紀末ウィーンの作家ムージルと20世紀精神の命運
現代の精神がたたずむ場所、異様にして不可解な、その名づけえぬトポスを、精密に記述する、精神による実験と文体の創造。ムージル作品の秘密が、古井文学の方法的な核心を語る。
こりゃ、買わなきゃ読まなきゃ、だよなあ。
ついでに、表4側(裏表紙側)の帯も引用。
新しい体験を描き出すこと、これが現代作家の欲求であり、また、存在の理由でもある。自分の現に住む世界の中で人間的に不可能だとされているものを、なおかつ人間的な体験として描いてみること、……そのような試みへの衝動に責められていない作家は、現代作家として評価されるべきでない。真に現代作家らしいものをあたえるのは、熱狂的にせよ、ひややかにせよ、体験の拡大への突破口をうかがう、あのほとんどエロティックな緊張である。
ーー本文より
- 作者: 古井由吉
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2008/02/26
- メディア: 単行本
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