わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

古井由吉『ロベルト・ムージル』

 何日か前に手に入れていたのだが、風邪引いたりコンサート行ったりで、紹介するタイミングを失していた。
 古井の最新作は、なんと小説ではなくて作家論。帯にはこう書いてある。引用。

世紀末ウィーンの作家ムージルと20世紀精神の命運
現代の精神がたたずむ場所、異様にして不可解な、その名づけえぬトポスを、精密に記述する、精神による実験と文体の創造。ムージル作品の秘密が、古井文学の方法的な核心を語る。

 こりゃ、買わなきゃ読まなきゃ、だよなあ。
 ついでに、表4側(裏表紙側)の帯も引用。

新しい体験を描き出すこと、これが現代作家の欲求であり、また、存在の理由でもある。自分の現に住む世界の中で人間的に不可能だとされているものを、なおかつ人間的な体験として描いてみること、……そのような試みへの衝動に責められていない作家は、現代作家として評価されるべきでない。真に現代作家らしいものをあたえるのは、熱狂的にせよ、ひややかにせよ、体験の拡大への突破口をうかがう、あのほとんどエロティックな緊張である。
ーー本文より

ロベルト・ムージル

ロベルト・ムージル