わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

堀江敏幸『おぱらばん』

 パリという異国で、フランス語という異国語に接しながら暮らす筆者のエッセイ……なのだろうが、ぼくはこれを私小説として読んでいる。『郊外へ』もそうだったが、堀江敏幸のエッセイは限りなく小説に近い。というよりも、鋭敏な感覚といい掘り下げ方といい言葉の選び方といい全体構成といい、あらゆる面において小説そのものである。
「おぱらばん」。とある中国人の老人との、思わぬ再会。

おぱらばん

おぱらばん