パリという異国で、フランス語という異国語に接しながら暮らす筆者のエッセイ……なのだろうが、ぼくはこれを私小説として読んでいる。『郊外へ』もそうだったが、堀江敏幸のエッセイは限りなく小説に近い。というよりも、鋭敏な感覚といい掘り下げ方といい言葉の選び方といい全体構成といい、あらゆる面において小説そのものである。
「おぱらばん」。とある中国人の老人との、思わぬ再会。
- 作者: 堀江敏幸
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 1998/07
- メディア: 単行本
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