最新短篇集。例によって訪中記中心の私小説。
「高速公路」。毛沢東の国が、変わりつづけている。しかし、一方で何も変わらない部分もある。洗練と粗雑の間を漂うように旅する主人公は「老外(がいじん)」として、最初の漢字が発掘された遺跡を見学する。だが、そこに歴史の重さは感じられない。地に足の付いていないような感覚は、主人公が老外だからか、それとも中国が大きく変わっているからか。ひょっとすると、主人公は洗練と粗雑の間を漂っているのではなく、周囲が、環境が、ただ曖昧に洗練に向いたり粗雑に落ちたり、不安定な状況を繰り返しているだけなのかもしれない。
- 作者: リービ英雄
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