台風一過、抜けるような青空。と断言できていたのは子どものころだけのようだ。父は台風が来ると煙る大雨を窓から眺めつつ、被災などということはまったく念頭におかず、もっと降れ、じゃんじゃん降れ、と大人げなく、はやし立てるようにつぶやいては笑っていたのだが、そのあとに必ず、明日は晴れる、雲がぜんぶ消し飛んで晴れる、と付け加えていた。近ごろは、まるで消し飛ばない。それでも今朝は晴れた。深く天高く広がる青空と、そこに浮かぶちぎれちぎれの小さな雲は、明らかに秋のものだ。しかし、ツクツクホウシと蝉が鳴きはじめた。
終日仕事。午後は雨が降りはじめたが、夜にはやんだ。