わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

小野正嗣「獅子渡り鼻」

 助けられることが、当たり前なのだが、その当たり前さが、うしろめたい。しかし、助けられないという選択肢は、ない。
 そして尊は、必死になって兄を助けようとしている。少なくとも気持ちだけは。しかし、行動ができない。助ける方法を、彼はまったく知らない。この、知らないという状況もまた、深い悲しみを引き起こす。

群像 2012年 11月号 [雑誌]

群像 2012年 11月号 [雑誌]

小野正嗣の作品はこちら。『マイクロバス』は傑作です。