拡大欲、独占欲、成長欲、そして自己破壊欲に満ちた、ダークな魍魎都市としての東京の側面を呑気な文語調の文体で淡々と進めるという手法がいかにも奥泉さんらしいなあ。ラストは東京という都市の自叙伝というよりはひとりの狂いかけた男の幻覚の記録とも取れなくはない。その二重性を自然に許容してしまうところも東京の本質の一つ、というわけか。
- 作者: 奥泉光
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2014/05/02
- メディア: 単行本
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