「群像」2016年1月号掲載。まだ少ししか読めてないけど。
ネットの普及によるコミュニケーションと自己表現形態の変化(というより革命?)が、匿名化や分裂化といったカタチで「私」のあり方を大きく変えているという分析は的を射ているけれど、当たり前と言えば当たり前のことなのかもしれない。それよりも、「中上以降」という時代の捉え方がすごく面白い。ここには「私」のあり方の問題ももちろん含まれる。語り/物語という80年代・90年代によく議論された問題には必ず中上作品が深く関わることになってきたわけだけれど、その議論が成立できなくなるくらい、2000年以降は小説というものが変質してしまっている。なるほどねえ。

千年の愉楽 (河出文庫―BUNGEI Collection)
- 作者: 中上健次
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1992/10
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