Eテレ「日曜美術館」で紹介されていた絵本作家、衝撃のデビュー作。1968年初版とあった。ネパールに伝わる民話を元にしているらしいのだが、サイケな世界観の絵、強烈なキャラクター描写、登場人物があっけなく死ぬという痛烈な死生観と因果応報的な寓意に満ちたストーリー、どれもが衝撃的。物語自体は、読み進めると世界中にある民話のエッセンスが集約されているような印象を受ける。人間が古来から抱き続ける深層意識、あるいは人間以前の存在だったころから進化してもDNAに刻み続けられていた普遍の要素として、こういう要素が存在しているのかもしれない、と思った。