昭和天皇崩御の前後だから1989年頃という時代設定。まさにこのころ、ぼくは大学生で実家のある茨城県古河市、すなわち本作の舞台となった町に住んでいた。風景描写は懐かしく感じられたし、地理的にも整合性が取られているので、普通の小説を読む感覚ではな…
六時起床。暖かな一日、といいたいところなのだが、部屋のなかはまだなお冬を引きずり、うっすらと寒い。夕方になって風が強くなりはじめると、やや北寄りの西風のせいだろうか、床から冷えが伝わり、足下の体温を少しずつだが奪っているのがわかる。風の音…
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