「新潮」2016年5月号掲載の、連作の第1回。 秦始皇帝の時代。粘土をこねて人をつくるのがズバ抜けてうまい男、俑は、その才能を買われて、当時の世を粘土に写し取って記録とする仕事につく。ここで作られる粘土人形も、俑という。俑を取り巻く世界とともに、…
五時四十五分起床。麦次郎、外廊下に出せとせがむ頻度が急増している。気候がよくなり飛ぶ鳥や屋根やら電線やらにとまる鳥、川の水面に浮かぶ鳥、朝日を反射してゆらゆらと輝く川、歩く人、自転車に乗る人、彼らが連れている大小さまざまの犬、そしてそれら…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。