わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

空と土のあいだ/バリウム慣れ

 闇の中を泳いでいる、そんな感覚で目を覚ます。窓を開けたら、薄曇りの空から雨がしきりに降っている。一晩中降りつづけたか、外はしっとり水に包まれ、枯れかけた広葉樹の葉がにわかな水気に濡れ落ちている。七時、身体を起こして身支度し、ためこんでいた仕事をすこしずつはじめる。数時間すると、雨音がやんだ。窓を開け、外を見てみる。雨雲が、視線よりわずかに上のあたりで水平に切れ、そこから本来なら見えるはずの地平線まで、濃い青空が奥へ奥へと広がっている。射しはじめた陽の光が、途切れた雲を途切れた空から明るく照らす。ぼくたちは、空と土のあいだに生きているのだ、と実感した。

 午後から阿佐ヶ谷の河北総合病院検診センターへ。社会保険事務所が斡旋してくれる中小企業向けの健康診断を受けた。身体測定、血液検査、心電図、視力・聴力測定、胸部レントゲン、そして胃のレントゲン。一年ぶりのバリウム、以前より抵抗なく飲めた。げっぷも我慢できる。

 十六時、終了。吉祥寺で買い物を済ませ、「ナマステカトマンズ」でカレーなど食べてから帰宅。
 
 色川武大狂人日記』。病室で母の幻覚を追い払おうと、派手に暴れてしまう主人公。そして、彼の世話をしつづけたいと申し出るおなじ入院患者である圭子。