十歳のころから聴きつづけている。X JapanのHIDEも、ラルクのHYDEやKENも、LUNA SEAのSUGIZOも、みんなJapanで育った。近ごろのデヴィッド・シルヴィアンの作品は難解さと閉塞感(孤高感といったほうが正確か)が強すぎるてらいがあるが、Japanには商業主義と無縁だからこそできたPOPな感覚がある。ゴッホは病んだ精神をもっていたからこそ心を打つ絵を描けたのではないか、と思っているのだが、それと共通する部分がJapanにはある。当時のデヴィッドは、あらゆるものが大嫌いだった。あらゆることに苦しんでいた。自分だけが正しいと本気で信じていた。そして信じている自分を、実は心のどこかで信じていなかった。だが、Japan解散直前にそれがわずかに変わる。今日の日記で引用した「Ghosts」に、それがとてもよく表れている。
Japanは、あこがれであり、おなじ心をもつものであり、そして乗り越えなければならないなにかだった、と今になって思うことがある。
だからだろうか。先日読んだ大西巨人の『縮図』にあった「近親憎悪」ではないが、今の成熟したデヴィッドの姿を、素直に見れない自分がいる。愛しい。おなじようになりたい。だがおなじ道を歩んではいけない。あなたは、今とんでもない精神の高みにいる。私もそこまで上ってみたい。だがあなたは開かれていない。開く必要がないようにも見える。それでいいのか。私は開いていたいのだ。だが、閉じていたいと思う自分もいる。
とにもかくにも、ぼくのJapanに対する思いはフクザツである。フクザツという一語では済ませたくないくらい、フクザツである。
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