わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

あるウィルス

 イライラしてはいけない。こやつはなぜか伝染するからだ。悪質な精神的ウィルスといったところだ。わが家では、ぼくと花子がこのウィルスにとにかく弱い。仕事のトラブルだの自分の不注意だのでぼくがイライラウィルスに感染すると、それがたちまち花子に伝染する。ぼくの陥った状況など到底理解できないだろうに、その心境だけは十分すぎるほどに理解できてしまうらしく、その理解という名の心のキレツに、イライラウィルスはたちまち入り込み、そしてあっというまに感染、となる。感染した花子はミャウミャウミャウと鳴きながら廊下、脱衣所、書斎とうろうろしつづけ、リビングのドアの前で延々フニャフニャいいつづける。どうしたんだ、となだめに言っても聞きやしない。だっこしてあげれば、こちらのイライラをこれ以上うつされたくないのだろう、激しく抵抗し、それでも強引にだっこすれば、たちまち腕から抜け出し、駆けてどこかへ逃げる。こうなったら、もうぼくは何もできない。まったく仕事が手に付かなくなる。麦次郎まで感染し、リビングからドア越しにナアン、ナアアアアアン、と鳴き声が延々聞こえつづけることも少なくない。イライラは100%自分が悪い。すなわちウィルスをつくったのはぼく自身だというのに、花子によって培養されたウィルスが再度ぼくを襲うことになる。イライラはさらに募る。そしてふと冷静になったとき、自分の心の狭さに情けなくなり、茫然とする。
 七時起床。すぐにぷちぷちの世話をする。換羽のまっさかり。風切り羽根の大きいのが一枚抜けた。大変そうだが、昨日、おとといよりはかなり機嫌がいい。体調もよさそうだ。
 新聞を取りにファザードまで出たときの空は、いくぶん雲が浮かんでいる程度、すっきりした青空が、少々せこせこした感じで広がっていた。ところが時間が経つにつれ、空は濃淡大小よりどりみどりの雲の集合体に占領されてしまった。寒くはないが、風がさりげなく身を切っていく。そんな天気。
 午前中、カミサンとあるコトのために外出するが、ある事情のために目的を果せず。いつもピザを頼む「サルバトーレ・クオモ」でパスタランチを頼んだが、これが(ピザは絶品なサルバトーレだというのに)大外れ、ぜーんぜんたいしたことない味で、これなら家でつくれるじゃん、という程度。がっかりして店を出た。
 帰社/帰宅後は書斎で仕事。ここで大量感染してしまっていたイライラウィルスが発症。だが、自分をリラックスさせること、そしてもうひとつある方法(詳しくは書かない)でなんとか落ち着くことができた。二十時すぎ、お仕事終了。閉店ガラガラ。