わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

土門拳写真展 日本のこころ

 日本を代表する写真家であり、典型的なガンコ者カメラマン。一本芯の通った作風は大好きなのだが、書籍や映像ではなく実際のプリントを観るのはこれがはじめて。名作「筑豊のこどもたち」の悲しい姿にはなぜか現代性が見えてしまった。格差社会に通じるということか。「古寺巡礼」は、その迫力に圧倒されっぱなし。左側からアップで撮った千手観音の手の集合、十二面観音の神々しい姿、釈迦如来の固い意思と慈愛とを兼ね備えた横顔、鳳凰堂に一瞬訪れた奇跡のような夕焼け。題材を見つめ、その真価を見極めた上で、カメラの文法の上にそれを巧みに乗せ上げてゆく。スゲエなあ。

土門拳 古寺を訪ねて―斑鳩から奈良へ (小学館文庫)

土門拳 古寺を訪ねて―斑鳩から奈良へ (小学館文庫)

筑豊のこどもたち

筑豊のこどもたち