日本を代表する写真家であり、典型的なガンコ者カメラマン。一本芯の通った作風は大好きなのだが、書籍や映像ではなく実際のプリントを観るのはこれがはじめて。名作「筑豊のこどもたち」の悲しい姿にはなぜか現代性が見えてしまった。格差社会に通じるということか。「古寺巡礼」は、その迫力に圧倒されっぱなし。左側からアップで撮った千手観音の手の集合、十二面観音の神々しい姿、釈迦如来の固い意思と慈愛とを兼ね備えた横顔、鳳凰堂に一瞬訪れた奇跡のような夕焼け。題材を見つめ、その真価を見極めた上で、カメラの文法の上にそれを巧みに乗せ上げてゆく。スゲエなあ。
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