わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

小池昌代『タタド』

 表題作、読了。中年男女四人の乱交じみたシーンの描写で物語は終わる。交わるという行為に、死のイメージがまとわりつく。そして、その死のイメージが逆説的に壮年の生を浮き立たせ、その価値を証明しているようにも読める。本作は、半分以上生きてしまった世代の悲しい賛歌、なのかもしれない。

タタド

タタド