わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

伊藤比呂美『女の絶望』

 第五章「葉月-- へいけいのこころえ 暑い」。へいけいとは、閉経。更年期そのものですな。ただし、内容は閉経そのものではなく、閉経と同時期に加速する、加齢による容姿の衰え。「へいけいのこころえ」というよりは「ようかいのこころえ」ですな。妖怪。比呂美ねーさん、化粧を塗ったくったおばさんのことを妖怪呼ばわり。すなわち自分を妖怪呼ばわり。
 アンチエイジングだのなんだのというが、加齢は最終的には受け入れるしかない、ってことかな。この、受容の果てに、実は死がある。「へいけいのこころえ」は、「しのこころえ」でもあるのかもしれない。
 ところで。この章の前半ちょいと読みすすめたあたりに「伊藤しろみはばばぁだ」と書いたサイトが出てくるが、そのサイトの元ネタ、何を隠そうココです。でもさあ、ばばぁだなんて書いてないから。

女の絶望

女の絶望

死を想う―われらも終には仏なり (平凡社新書)

死を想う―われらも終には仏なり (平凡社新書)

日本ノ霊異(フシギ)ナ話 (朝日文庫)

日本ノ霊異(フシギ)ナ話 (朝日文庫)