わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

多和田葉子『ボルドーの義兄』

 レナの義兄であるモーリスの家にようやく着いた優奈は彼と食事を共にしている……のだが、会話の合間に過去の記憶が挟み込まれ、さらにそこから別のエピソードが派生し、それにつれて登場人物が雪だるま式に増えはじめ、おまけに彼らはみなどこかしか妙なところがあって、読み方によっては誰もが心に大なり小なりの傷を負っているように思え……。
 複雑な小説だよな、まったく。