五時五十分起床。晴れているようだが部屋はひんやりとしている。冷たさには静止のイメージがつきまとう。眠っている間、空気の流れまで止まっていたか、と考えながら窓を開ける。外の物音がかすかに聞こえる。同時にレースのカーテンが静かに揺れた。
気づけば蝉の鳴き声が絶えている。一夏を、鳴きながら生ききった蝉たちの命の抜け殻が、そこら中にパタパタと転がっているのだろうか。弱った蝉の姿や死骸は夏の盛りにはあちこちで見かけるが、秋にさしかかった頃になると、意外に目に付かない。象は死期を悟ると「象の墓場」と呼ばれる場所に向かいそこで一生の幕を閉じるというが、蝉にも似たような習性があるのか。だとすれば、亡骸はその場所に集まっているのか。
- 作者: 橋本洽二
- 出版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 1977/01
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る
夕方はカイロプラクティックへ。夜は作業こそしなかったが、電話での打ち合わせを三回。