熊と老婆たちとの死闘。多くの者が熊に殺されるが、老婆たちはひとまず熊を撃退することに成功する。再登場しそうだけれど。
熊目線で書かれた部分のリアリズムが強烈。「生きる」ということの本質を、山に捨てられたが生きつづける老婆たちと、過酷な自然の一部として生きる熊という異なるふたつの存在から描き出している。生命の、あるいは生きることの執念のすさまじさが立体的に浮かび上がる。その様子は決して美しくはないが、深く深く読む者の心に突き刺さる…。
- 作者: 佐藤友哉
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/06
- メディア: 単行本
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