わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

中上健次『蛇淫』

 新幹線のなかで表題作を読んだ。中上の「路地」の世界は長編でこそ活かされると思っていたが、短編でもその雰囲気は十分伝わる。というよりも、ぼくらが「中上」「路地」といったコードをすでにもった状態で作品を読むからそう思えるのかもしれないのだけれど。
 表題作、書こうと思えば中編くらいの長さにはなりそうだな、と思った。ただ、長くなると秋幸三部作みたいになっちゃうかな。それくらい、中上の長編は他に及ぼすパワーが強いということか。

蛇淫 (講談社文芸文庫)

蛇淫 (講談社文芸文庫)

中上健次の作品はこちら。『岬』『枯木灘』『地の果て 至上の時』そして『千年の愉楽』は絶対に読んだほうがいい。