新幹線のなかで表題作を読んだ。中上の「路地」の世界は長編でこそ活かされると思っていたが、短編でもその雰囲気は十分伝わる。というよりも、ぼくらが「中上」「路地」といったコードをすでにもった状態で作品を読むからそう思えるのかもしれないのだけれど。
表題作、書こうと思えば中編くらいの長さにはなりそうだな、と思った。ただ、長くなると秋幸三部作みたいになっちゃうかな。それくらい、中上の長編は他に及ぼすパワーが強いということか。
- 作者: 中上健次,井口時男
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1996/09/10
- メディア: 文庫
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