わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

後藤明生『笑坂』

「離山」。グダグダしていて破りつづけていた家族との登山の約束を、ようやく果たすことになったよ、という話。書くと単純だが、実はものすごく分裂的。だがその分裂傾向は決して病的ではなく、日常会話のように話が時折逸れていくような感覚に近い。ただそれだけの内容なのに、なぜかグイグイ惹きつけられる……。

笑坂 (中公文庫)

笑坂 (中公文庫)

笑坂 (1977年)

笑坂 (1977年)

後藤明生の作品はこちら。『挟み撃ち』は必読!