いじられてカッカしたかと思えば、ふられた思い出が語られたり……。漱石あたりの、明治の作品の影響が色濃い反面、妙に現代的だったりもする。政治について語ろうとしているような感じもあるのだが、それでいて世界が異様なほど矮小。無駄に長く過剰に修飾された文体は作品世界とはミスマッチなはずなのに、この文体でなきゃダメなんだろうなあ、とも思ったり。とにかく不思議です。
- 作者: 野間宏
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/12/15
- メディア: 文庫
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