わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

古井由吉「方違え」

 ないことにされていた幼少時の「方違え」の記憶を探りつつも、父の、そして兄の死を、寄り添いつつもわずかに離れるような間合いで、弟は見届ける。死に片足突っ込んであの世を無理やり覗き込むのではなく、近寄ってきた死を静かに受けとめる。そんな態度から文章を、自然体でつむぎだしているように読めた。

新潮 2012年 12月号 [雑誌]

新潮 2012年 12月号 [雑誌]

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