古井さんにしてはめずらしく、希望にあふれる終わり方。読後に広がるのは、タイトル通り「明日の空」だ。絶望というのではない。悲しみというのでもない。ただ何か、決して喜ばしくはない何かに、かすかに翻弄されながら、そして自分の意志をゆらゆらとゆらめかせるようにしながら、幼児も、老人も、生きる。残されている人生は、少ないかもしれない。それでも、誰もが、明日を見る。
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/09/07
- メディア: 雑誌
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (9件) を見る
「古井由吉自撰作品」が刊行中。持っていない(=読んでいない)作品が入っている巻だけ買ってます。