わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

古井由吉「机の四隅」

 スローペースでつづいていた連作短篇が今月で完結。残念だ…。
 季節のうつろいを感じながら見つめた日常の中に潜む微かな違和がさまざまな記憶を多面的に呼び覚まし、重層的に作品世界を構築していく。物語性はない。だが、そこで描かれた記憶の断片たちの一つ一つが、読者にまで奇妙な既視感や疑似体験感を感じさせていく。
 単行本が出るのが楽しみ。通読すると、また印象が変わるだろう。

新潮 2013年 09月号 [雑誌]

新潮 2013年 09月号 [雑誌]

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