表題作。思い切り毒々しくて刺々しいのだろうと勝手に思い込みつつ読みはじめたのだが、意外にすっきりしていて読みやすい。ダンナの浮気に感づいた中年妻の話。 笙野頼子っぽいトンガリ、小池昌代っぽい浮遊感、多和田葉子っぽい奇妙さ…といろんな要素を感…
五時四十五分に起きるつもりが、六時を過ぎていた。無意識のうちに何度も目覚まし時計をスヌーズさせていたらしい。むずかる花子を一時間おきに起きてなだめていたからだろうか。もう十五年以上も一緒に暮らしているというのに、花子の睡眠サイクルはいまだ…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。